塾は儲かる仕事か?

塾は儲かる仕事か?

塾は経営的観点からすると、
プロがやるにはあまりにもボランティア側面が強い。
学生バイトの時給相場でやらないと生徒が来なくなってきている。
これでは、本当に良い教育はできなくなってしまう。
 

 

低価格化の歴史

そもそも、英才教育にはお金がかかるものである。
それを崩したのは、80年代に勃興した予備校による「マス教育」、
そして2000年以降の学生バイトを使った「素人個別教育」である。
(明光義塾、個別指導のトライ、東京個別指導学院など)
 
この2つは、教育にかかるコストを極限まで下げた。
「マス教育」は、大教室に生徒を詰め込み、
生徒一人当たりの受講料を極限まで減らした。
「素人個別教育」は、学生バイトに指導させることで、
指導にかかるコストを極限まで落とした。
 
これに引きずられる形で、プロによる授業単価も軒並み下落した。
学生から見てすらも、割に合わないと見えるようになった。
結果、プロでも学生でも、良い先生が集まらなくなってきたのだ。
 
 

厳しい現状

このような状況にあって、
塾を「儲かるカッコいい仕事」にするにはどうするか?
 
根本的には、家庭からいただく授業料を上げて、
良い先生に良い給料を出せばよい。
 
良い給料とはどれくらいだろうか?
学生なら時給2,000円以上、
プロなら時給5,000円以上。
 
これを給料とするには、
講師は1時間に、この倍以上の金額を稼がなければならない。
つまり、学生は1時間4000円、プロだと1時間10000円以上を
売り上げなければならない。
 
これを、父兄の負担なく達成するためには予備校のような「マス教育」が良い。
しかし、少子化の時代、これは難しい。
なら、講師1人が生徒2~3人を見る個別スタイルだとどうか?
これは家計負担が大きく、不況の昨今現実的ではない。
 
このように、塾を「儲かるカッコいい仕事」にするのは至難である。
 
 

突破口

突破口は、良い教育のためならお金を出し惜しまないという
優良顧客を集めてきて、
良い先生に良い給料を与え、良い仕事をしてもらうことである。
要は、ターゲットセグメンテーションを明確にすることである。
 
しかし問題は「集客」である。
 
塾が乱立する時代、そういった優良顧客を集めることは難しい。
これからの時代、ネットを使って「集客」するという
斬新な切り口がなければならない。
大手塾や予備校は、TVCMや新聞広告などを使って生徒を集める。
しかし、ネットという新たな媒体があれば、
自分の教育理念をしっかりと発信でき、
また、その理念に沿う人だけを集めることができる。
良い教育にはお金がかかることを理解し、
教育の良し悪しを見抜き、結果に厳しい人。
そういった人を、ネットを使って集めていくのである。
 
 
しかしそうすると、お金のない人は困るということになる。
 
しかし、これはある意味当然である。
塾は教育機関であるが、決してボランティアではない。
お金を払ってくれる人には相応のコミットをしなければならないし、
お金を出せない人とは当然ながら差をつけなければいけない。
お金を出せないけど、お金を出してる人と同じ良い教育をしてほしい
というのは無分別である。
 
ただ昔と違って、昨今はお金がなくても
最低限の教育をしてくれる塾は周りにたくさんある。
それこそ、学生バイトの「素人個別」なんかはそうである。
最低限の指導をそこで受け、あとは自分が一生懸命頑張ればいい。
むしろ本来受験というものはそうであったはずである。
 
このように、教育にお金をかけられる人、かけられない人、
それぞれに相応する良い教育を提供することが、
これからの教育界のスタンダードになっていく。
 
そして教える講師の側は大変である。
良いお給料をもらえる上級講師を目指すなら、
実績と明確なハイスペックが必要になる。
そのためには他を圧倒する研鑽が必要になってくる。
これもまた教育界にとっては良いことである。

 

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