毎年50万人以上、ほぼすべての受験生が受験するセンター試験、
これはどのようなものとして考えればいいのだろうか?
もちろん、国公立大学を受けるための一次試験であり、
私立大学受験の数ある入り口の一つであることは周知のとおりです。
ここでは、教育の現場で指導に当たっている立場から、
センター試験の実践的な意味を考えてみたいと思います。
こ の 記 事 の 目 次
センター試験は最後の模試!
まず1つには、自分の実力を測る最後の模試であると言うことだ。
実際、模試は11月の終わり頃にはほとんどすべてが終わり、自分の実力を受験者集団の中で測ることは、それ以降できなくなる。
その後、冬休みを迎え、多くの受験生は必死になって勉強する。その結果がどちゃんと出ているのか、またみんなと比べてどの程度のポジションになっているのか、予想通りに進んでいるのかいないのか、これらを明確に判断する基準は1月に入った段階ではもうなくなっている。ゆえにセンター試験という受験者のほとんどが受ける大きな舞台の中で、自分の客観的な位置取りを知ることは極めて重要なのである。
本番の中で、真の自分を知る機会!
次に、自分が本番試験の中でどのような状態になるのかを洞察することが重要なのです。受験者の方々は、試験慣れをするために模擬試験を受けることがほとんどだと思うが、どんなに模擬試験を受けたとしても、本番の緊張を味わうことはできないし、その中で自分がどうなるのかを知ることはできません。
どんなに周りに受験生がいたとしても、模擬試験はしょせん模擬試験でしかないのです。「この試験で失敗したら、自分の人生が終わってしまう…」という緊張感はありません。センター試験は、自分がそのような緊張感の中で、しっかり実力を発揮することができるかどうかを知る手がかりとなります。
実際、センター試験でいつも通りの点数を取れる生徒は、その後の個別試験においてもしっかりとした点数を取ることができています。
一方で、センター試験でいつもよりも圧倒的に低い点数しか取れなかった生徒は、模試の判定がどんなによかったとしても、本番で大きく失敗し、不合格になってしまうことが多いです。
かつて、手塩にかけて育て上げ、高校3年生に上がってからというもの、東工大はすべてA判定で、東大はB判定という理系の子供がいました。その子は、駿台のハイレベル模試で成績優秀者表に載るほどの実力者で、センター試験の直前に、センター試験の過去問を解かせてみたところ、9割を割ることはありませんでした。しかし本番では、75パーセントほどとなってしまいました。そして、もしもの可能性を考えて東大をやめさせ、東工大を受験させることにしましたが、その東工大さえも不合格となってしまいました。またそれだけでなく早慶の理系学部はもちろん、明治も不合格となってしまいました。
結果的に、最後に発奮して東京理科大に合格しましたが、想定していたレベルの数段下であることは明らかです。これはすべて実話です。
センター試験とはそのように自分の隠された一面を覗き見ることもできるのです。
センター試験を通して、成長する!
大学入試センターが実施するセンター試験は、全国の受験生の学力を正確に判定するために作られています。ゆえに、内容は包括的であり、決して偏りが出ないように、慎重に作られています。
ゆえに、センター試験の準備をしている中で、生徒たちは、「今自分にはどんな弱点があるのだろうか?」を冷静に分析することができる。そして、見つけた穴を埋めるために、必死で勉強していきます。この積み上げは、2月頭から始まる私立大学の本番入試に大きくプラスになります。
このように、センター試験は、ただ国立受験者の第一関門というだけでなく、万人にとってとても重要な役割を担っています。生徒たちには、全力全開でぶつかって、良い意味で「身の程を知る」きっかけとしてもらいたいと思います。