大学入試 制度改革 まるっと解説してみた

大学入試はこう変わる!

文部科学省が進めている大学入試改革は、大きく分けて3つあります。

その3つとは、
 
① 現在実施されている大学入試センター試験の廃止と新テストへの移行、
 
② 基礎学力を試すための新しい基礎学力テストの実施、
 
③ 各大学が実施する個別テストの改革
 
の3つです。

  
 

センター試験廃止 → 新テストへ

 
毎年50万人以上が受験し、国立大学の一次試験、私立大学の一部入試に利用されている大学入試センター試験は、今現在の小学6年生が受験をする20年度から、大学入学希望者学力評価テストに変わります。
 
この名前はあくまでも仮の名前で、今現在では詳しい内容が決まっているわけではありません。
 
文科省の方針に沿って、まもなく専門家たちが集まってテスト内容を検討するところから始まり、2016年度には問題の具体例を示す予定となっています。その翌年の2017年度に出題内容や範囲がそのあまり、公表されることになります。
 
そのあとに、一部の高校生たちに、仮のテスト問題を受けてもらったりしながら精度と内容を高めていきます。
 

推薦・就職用の新テスト

 
第二の改革ですが、2019年度中に始まる新共通テスト、「高校基礎学力テスト」があります。これは、大学入試に使われるような高度な知識を要求するものではなく、しっかりと高校での学習が習得できているのかを試す基礎学力のテストです。
 
この主な目的は、AO入試や推薦入試、高卒で就職される方のための就職参考資料などです。今までは、高校側から提示される内申点(評定平均、調査書のこと)が判断材料だったのですが、それでは高校間比較などの客観的な評価がしづらいため、基礎学力を問うテストが実施されることになりました。
 
この試験は、高校2年生から受けられますので、こちらも今現在小学校6年生の子供が最初の受験生となる予定です。センター試験の後継テストと同様に、2016年度までに内容を検討し2017年度に公表され、その後2018年度まで仮の試験が実施されていくことになります。
 

各大学の入試も様変わり!?

 
最後に、国公立大の二次試験や私立大学の試験など、各大学が作る個別試験に対する改革です。
 
これは学力偏重のテストを止めて、面接やプレゼンテーション等を利用し、また高校の成績や論述試験なども組み合わせて、多面的総合的評価に転換するようなものとなっています。
 
これは、文科省が各大学に転換を求めておりますが、いつどのように実現するかは、実際のところ各大学次第ということになります。
 
文科省が制度改革の方向性を出したのが昨年2014年の末でしたので、これが反映される試験はおそらく2015年度の入試からで、現在高校2年生の人たちが最初の受験生になるはずです。
 
東京大学や京都大学は、現在の高2が受ける2015年度入試から推薦入試を取り入れていく改革に着手しています。
 
しかし受験者が数万人に上る私立の超人気大学などは、文科省が求めるような「総合的な評価」をするには、既存の採点業務を超える圧倒的な作業が入るため、実際には実現できるのか分かりません。
 
また実現できたとしても、受験者の受験料(現在は一般的には35,000円)が高騰することは間違いないので、国の勝手な意向と思えてなりません。
 
今回廃止が決定したセンター試験が導入された当時も、文科省から同じような話が出ていましたが、今現在実現していないことを考えると、今回も…、まぁ大きな変革は当面先になりそうです。
 

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