塾をやっていると必ず生徒から聞く言葉、「今日は家でやってもいいですか?」。
こう言ってきたとき、指導者のみなさんはどうされてますか?
また、ご家庭ではどう対処されていますか?
こ の 記 事 の 目 次
「家でやります」で、上位はムリ!
塾には自習室がついています。私の塾では、私の目の届くところで自習をさせています。なので、ダラダラは許されませんし、休憩時間も決められた幅しかとることができません。
そんな中で、来るのが遅かったり、来なかったりした生徒と話をしていると、「家でやってたんです」とか言う生徒がいますが、経験上、家でやっているとはいっても、集中力全開で勉強している事はまずありません。
そもそも家できっちりできるなら、塾に来る必要なんかないのです。
ではなぜ塾でやらずに家でやりたいのか。
答えは明白で、塾で管理されて必死で勉強するよりも、家で勉強をしている方が気が楽で、休み休みできるからです。まぁ1日くらいは勉強できるかもしれません、でも数日経つうちにダラダラ過ごすようになっていくのが常です。
こういうことをやっている生徒の中で、トップランクに合格した生徒を私は知りません。
「できる子」なら、こう言ってくる!
逆に、できる子からは、「家だと勉強ができないので塾で勉強して行ってもいいですか?」と聞かれます。
昨年医学部に現役合格した女の子も、高2の頃は 「私、勉強が死ぬほど大嫌い!」と言いながら、テスト前になると「家だと集中できないから、塾でやっていってもいいですか?」と聞いてきていました。
嫌いだから、テキパキ片づけたい、自分は弱いから、やらなきゃならない環境に身を置きたい、これができる子の思考なのです。
どちらが優秀かは明白です。
要は義務観念を持っているかどうかなのです。そしてこの義務観念は、幼少のころに親がどう育てたかで大枠が決まります。
これを変えていくのは、なかなか大変です。
私の塾の生徒たちも、受験直前には週末にも塾に来させて1日14時間くらい勉強させていますが、最初からこれができるような精神性の子は滅多にいません。少しずつ少しずつ、いろんな話をしたり、将来の目標についても相談したり、本当に時間をかけて理想的な学習習慣を育てていきます。
それがうまくいくと、偏差値30くらいからでも全国100位以内に入っていきます。「習慣がすべて」、本当にそう思います。
予備校で授業を受けて終わり、という子は才能を開花させることができません。保護者の方は、身近にそういった指導までやってくれる塾があるか探してみてください。(高校受験レベルなら結構あると思います)
こうなることが理想!
また、塾でしっかりと勉強する習慣がついてからも、「今日は家で勉強してもいいですか」、とか、「気分転換にファミレスで勉強してきてもいいですか」、「友達と一緒に勉強してきていいですか」とか言ってくる子がいます。
できる子は、まずこのような事は言ってきません。
決められた日は、どんなことがあっても必ず決められたルーティーンをこなし、その上で休日なんかは気分転換に図書館で勉強したり、友人と一緒に勉強したりしているものです。上のように言ってくる子も、やはり最上位には受かっていません。
では、できる子の最終形態は何なのかというと、それは 「塾でやる&家でもやる」です。
勉強に一生懸命になってくると、それまでは塾から帰った後は家でのんびり過ごすだけだった子も、おのずと家でも勉強するようになってきます。
「今日中にここまでやっておかないと…」、「時間が足りなくて…」、そんな一生懸命な気持ちが高じてくると、家でも寝る前にやってみたりとなります。
これが究極の状態です。経験上、このような状況になるのは受験直前の1ヵ月ぐらいかと思います。
このような状況は決して長くは持ちませんので、指導者や保護者の方は、意識の高まっていない時期にこれを課す事はやめた方が良いと思います。
そして、直前にこのような状況になった子は、直前に大きく学力を伸ばし優秀な学校へと進学しています。しかし、急にこのような状況になるわけではありませんので、1年以上の時間をかけて学習習慣をしっかりと育てていくことが、非常に重要なことであり、指導者はこのあたりを考えて指導をしていかねばなりません。